1月20日は、TES会西日本支部の繊維製品品質管理講座でした。
第1講演の内容は、「繊維製品の品質管理」という本題で、
”本音と建前”という副題がついています。
講師の先生は、TES会西日本支部の幹事で、
元某アパレルで品質管理室におられた 本郷 利明 氏です。
1.繊維製品の品質管理の考え方
A.繊維製品の品質管理は非常に難しい
1、テキスタイル、アパレル、量販、百貨店、消費者、クリーニング、
それぞれの立場で品質に対する認識が異なる。
2、アパレル繊維製品は、ファッション性(感性)が絡む。
3、ファッション性と品質は、反比例する(美人薄命)
カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなどの高級素材は、抜け毛、ピリングや
収縮するなどのデメリットもある。
風合いを良くすれば、滑脱抵抗がわるくなったり、
鮮明な色を出そうとすると、耐光堅牢度が劣る。
シルク素材は、白化やスレがおこるなどの欠点もある。
4、これらの欠点を理解し、ファッション性と品質のバランスを考え、
5、適正な許容範囲をジャッジできる管理者が必要。
B.基準値の管理だけでは品質管理は失格
1、マニュアル通りの数値管理手法は、誰でもできる。
2、試験報告書(公的機関発行)の数字だけで判断するな。
判定(合格、不合格)と判断(採用、不採用)は違う。
3、最終判断は、着用試験
C.実用性能、消費者性能を重視
1、消費者は、ファッション性(感性)を重視して購入している。
とは言うものの品質にも厳しい。
2、消費者は、高いものイコール高品質との認識を持っている。
3、店頭の販売員(FA)の品質のレベルアップが必要で、
4、消費者に対し、品質の情報提供(取扱い方)などの啓蒙活動を行う。
5、品質の良否を決めるのは、消費者である。
2.ファッション性商品(感性商品)と品質
1、合成皮革、人工皮革(ポリウレタン樹脂)の劣化。
2、ポリウレタン樹脂(ラミネート)の逆汚染(ドライの洗液)
3、ポリウレタン糸の色落ち
4、マイクロファイバー(形状記憶加工)はPE100%でもアイロン不可
5、セルロース系繊維のプリーツ、シワ加工は、タンブラー乾燥不可
6、インディゴ染料の色落ち
7、獣毛(カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなど)の抜毛、毛玉、縮み
8、シルク、テンセル、レーヨン、麻などのフィブリル化(白化)
など、ファッション性の高い商品には、様々なデメリットもある。
3.苦情申し出者(消費者)への対応
1、百貨店の対応 消費者(お客様)は、神様か?
2、専門店の対応
3、消費者センターの対応
4.消費者の非常識
5.クリーニング店の非常識
6.アパレルの非常識
など、実際に経験された具体例を交えて、お話されました。
3.4.5.6.については、本音の部分も多く、
公表すると差し障りがあるといけないので、割愛します。
まとめとして、ファッション性の高い繊維製品は、品質的に
問題のあることも多く、それぞれの段階で、商品の特性や、
デメリットをも含めた情報を正しく共有されていないことで、
間違った取り扱いがなされたりして、トラブルが発生する。
それらのトラブルを未然に防ぐよう各段階で情報を共有すること
が大事で、そこで、我々TESの役割が重要になってきます。
第2講演は、「京プリントの現状とプリント加工技術について」
大本染工株式会社 社長 濱野 幸夫 氏の講演がありましたが、
次回のTES会の工場見学会で見学させていただくことになるので、
その際に、このブログにまとめたいと思います。
第1講演の内容は、「繊維製品の品質管理」という本題で、
”本音と建前”という副題がついています。
講師の先生は、TES会西日本支部の幹事で、
元某アパレルで品質管理室におられた 本郷 利明 氏です。
1.繊維製品の品質管理の考え方
A.繊維製品の品質管理は非常に難しい
1、テキスタイル、アパレル、量販、百貨店、消費者、クリーニング、
それぞれの立場で品質に対する認識が異なる。
2、アパレル繊維製品は、ファッション性(感性)が絡む。
3、ファッション性と品質は、反比例する(美人薄命)
カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなどの高級素材は、抜け毛、ピリングや
収縮するなどのデメリットもある。
風合いを良くすれば、滑脱抵抗がわるくなったり、
鮮明な色を出そうとすると、耐光堅牢度が劣る。
シルク素材は、白化やスレがおこるなどの欠点もある。
4、これらの欠点を理解し、ファッション性と品質のバランスを考え、
5、適正な許容範囲をジャッジできる管理者が必要。
B.基準値の管理だけでは品質管理は失格
1、マニュアル通りの数値管理手法は、誰でもできる。
2、試験報告書(公的機関発行)の数字だけで判断するな。
判定(合格、不合格)と判断(採用、不採用)は違う。
3、最終判断は、着用試験
C.実用性能、消費者性能を重視
1、消費者は、ファッション性(感性)を重視して購入している。
とは言うものの品質にも厳しい。
2、消費者は、高いものイコール高品質との認識を持っている。
3、店頭の販売員(FA)の品質のレベルアップが必要で、
4、消費者に対し、品質の情報提供(取扱い方)などの啓蒙活動を行う。
5、品質の良否を決めるのは、消費者である。
2.ファッション性商品(感性商品)と品質
1、合成皮革、人工皮革(ポリウレタン樹脂)の劣化。
2、ポリウレタン樹脂(ラミネート)の逆汚染(ドライの洗液)
3、ポリウレタン糸の色落ち
4、マイクロファイバー(形状記憶加工)はPE100%でもアイロン不可
5、セルロース系繊維のプリーツ、シワ加工は、タンブラー乾燥不可
6、インディゴ染料の色落ち
7、獣毛(カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなど)の抜毛、毛玉、縮み
8、シルク、テンセル、レーヨン、麻などのフィブリル化(白化)
など、ファッション性の高い商品には、様々なデメリットもある。
3.苦情申し出者(消費者)への対応
1、百貨店の対応 消費者(お客様)は、神様か?
2、専門店の対応
3、消費者センターの対応
4.消費者の非常識
5.クリーニング店の非常識
6.アパレルの非常識
など、実際に経験された具体例を交えて、お話されました。
3.4.5.6.については、本音の部分も多く、
公表すると差し障りがあるといけないので、割愛します。
まとめとして、ファッション性の高い繊維製品は、品質的に
問題のあることも多く、それぞれの段階で、商品の特性や、
デメリットをも含めた情報を正しく共有されていないことで、
間違った取り扱いがなされたりして、トラブルが発生する。
それらのトラブルを未然に防ぐよう各段階で情報を共有すること
が大事で、そこで、我々TESの役割が重要になってきます。
第2講演は、「京プリントの現状とプリント加工技術について」
大本染工株式会社 社長 濱野 幸夫 氏の講演がありましたが、
次回のTES会の工場見学会で見学させていただくことになるので、
その際に、このブログにまとめたいと思います。
しばらく、こちらのブログ休んでおりましたが、
去年のTES会セミナーでの「皮革の話」 No.3の続きです。
皮革衣料の必要性能
・色落ち・移染しないこと
・日焼けしないこと
・型崩れしないこと
・破れないこと
・仕上膜が粘着・割れないこと
(クリーニングできること)
衣料用革の品質基準
・主なJIS 衣料用革 JIS K 6553
項目:引張り切断荷重、伸び、引裂荷重、
ウエット、ドライクリーニングに対する染色堅牢度
収縮温度の変化、割れ及び感触試験
皮革衣料を中心とした皮革製品の苦情事例
・汚染、変退色(摩擦、汗、光、積み置きなど)
汚染:摩擦、水、汗、洗濯などにより、革→他素材・皮膚、
他素材→革へ 染料が移行する。
変退色:摩擦、水、汗、洗濯、光、ガス、薬品、クリーニング
などにより革の色(染料、なめし剤、塗料など)が
脱落、色褪せ、褪色、変色する。
・白化(スピュー:ファットスピュー、水、カビなど)
白化(スピュー)の主な種類
1)ファットスピュー(脂肪系):加脂剤中の油脂類、動物脂
製革工程中に使用した加脂剤中の高融点の油脂・動物脂が、
革の中を移動し、革表面に出てくる。
2)ソルトスピュー(塩系):製革工程中の塩類、汗の塩類
製革工程中に使用及び生成した塩類(硫酸ナトリウムなど)が、
水分の移動とともに、革の中から革表面にでてくる。
3)カビ:保管中にカビが発生。菌糸や胞子。
4)トップコート仕上膜の水膨潤
・経時変化による接着剤・塗装ミストのシミ出し
・仕上膜の密着、粘着、剥離、亀裂、膨らみ
折りたたみ中に、仕上膜同士が密着
冬場着用中に仕上膜が割れて亀裂が生じる。
雨にかかり、塗装膜が簡単に剥離した。
・破れの原因
革の部位差、固体差、線維の流れを考えずに裁断縫製をした
柔軟にするため、過剰の揉み処理をした
・付属品(金具など)の腐食、変色
革中の酸・塩類、硫黄系化合物によるファスナーの腐食、黒変。
・硬化、収縮
熱収縮すると、収縮、硬化、強度低下、色彩・外観変化が起こり、
元には戻らない。
塩化カルシウム(乾燥剤、融雪剤など)による収縮・硬化
・クリーニングによる苦情事例(破れ、剥離、変退色)
・臭い(加脂剤、植物タンニン由来、塗料、仕上げ剤、有機溶剤、接着剤)
1)革素材から発生するもの
加脂剤・植物タンニン由来、防かび剤、塗料・仕上げ剤と有機溶剤
2)革製品から発生するもの
加工時の接着剤・仕上げ剤と有機溶剤、加工資材など
3)着用により発生するもの
汗臭、足臭など
4)保管、手入れ、クリーニングから発生するもの
靴クリーム、撥水剤、カビ、残留クリーニング溶剤など
2011.11.18.のTES会の講演で使用された大阪府産業技術総合研究所
皮革試験所 奥村 章氏の資料より引用させていただきました。
去年のTES会セミナーでの「皮革の話」 No.3の続きです。
皮革衣料の必要性能
・色落ち・移染しないこと
・日焼けしないこと
・型崩れしないこと
・破れないこと
・仕上膜が粘着・割れないこと
(クリーニングできること)
衣料用革の品質基準
・主なJIS 衣料用革 JIS K 6553
項目:引張り切断荷重、伸び、引裂荷重、
ウエット、ドライクリーニングに対する染色堅牢度
収縮温度の変化、割れ及び感触試験
皮革衣料を中心とした皮革製品の苦情事例
・汚染、変退色(摩擦、汗、光、積み置きなど)
汚染:摩擦、水、汗、洗濯などにより、革→他素材・皮膚、
他素材→革へ 染料が移行する。
変退色:摩擦、水、汗、洗濯、光、ガス、薬品、クリーニング
などにより革の色(染料、なめし剤、塗料など)が
脱落、色褪せ、褪色、変色する。
・白化(スピュー:ファットスピュー、水、カビなど)
白化(スピュー)の主な種類
1)ファットスピュー(脂肪系):加脂剤中の油脂類、動物脂
製革工程中に使用した加脂剤中の高融点の油脂・動物脂が、
革の中を移動し、革表面に出てくる。
2)ソルトスピュー(塩系):製革工程中の塩類、汗の塩類
製革工程中に使用及び生成した塩類(硫酸ナトリウムなど)が、
水分の移動とともに、革の中から革表面にでてくる。
3)カビ:保管中にカビが発生。菌糸や胞子。
4)トップコート仕上膜の水膨潤
・経時変化による接着剤・塗装ミストのシミ出し
・仕上膜の密着、粘着、剥離、亀裂、膨らみ
折りたたみ中に、仕上膜同士が密着
冬場着用中に仕上膜が割れて亀裂が生じる。
雨にかかり、塗装膜が簡単に剥離した。
・破れの原因
革の部位差、固体差、線維の流れを考えずに裁断縫製をした
柔軟にするため、過剰の揉み処理をした
・付属品(金具など)の腐食、変色
革中の酸・塩類、硫黄系化合物によるファスナーの腐食、黒変。
・硬化、収縮
熱収縮すると、収縮、硬化、強度低下、色彩・外観変化が起こり、
元には戻らない。
塩化カルシウム(乾燥剤、融雪剤など)による収縮・硬化
・クリーニングによる苦情事例(破れ、剥離、変退色)
・臭い(加脂剤、植物タンニン由来、塗料、仕上げ剤、有機溶剤、接着剤)
1)革素材から発生するもの
加脂剤・植物タンニン由来、防かび剤、塗料・仕上げ剤と有機溶剤
2)革製品から発生するもの
加工時の接着剤・仕上げ剤と有機溶剤、加工資材など
3)着用により発生するもの
汗臭、足臭など
4)保管、手入れ、クリーニングから発生するもの
靴クリーム、撥水剤、カビ、残留クリーニング溶剤など
2011.11.18.のTES会の講演で使用された大阪府産業技術総合研究所
皮革試験所 奥村 章氏の資料より引用させていただきました。
TES会セミナーでの「皮革の話」 No.2の続きです。
外観の違いによる皮革の仕上げの種類
・エナメル仕上げ:上塗りに膜厚の透明性のポリウレタン樹脂を使用
・オイル仕上げ:革表面がオイル感のある仕上げ
・アンチーク仕上げ:しわ、色むらをつけた古風な雰囲気
・パール仕上げ:魚鱗、雲母、アルミ箔をいれ、光を多重反射して、
真珠様の光沢を出す仕上げ
・グレージング仕上げ:革表面を円筒状のメノウやガラスで擦って艶を出す
加工タイプで分類した皮革の種類
スムース革:
・銀付革(フルグレイン)
・ガラス張革(コレクティッド)
起毛革:
・ヌバック:銀面を軽く短く毛羽立たせた革
非常に短くビロード状を呈す。
・スエード:小判革の肉面をサンドペーパーで毛羽立たせた革
ヌバックより長くベルベット状を呈す。
・ベロア(床革)成牛革の肉面毛羽立たせた革。
長い毛羽状を呈す
・バックスキン:主に鹿革の銀面を毛羽立たせた革
その他:
・シュリンク革
・型押革
・PU床革
再生革:天然皮革ではない。
革屑と粘結剤でシート状にしたもの
革の外観、触感的な特性と見方
しぼ・しわ:内曲げした時にできる「しわ」の状態
きめ(木目):銀面の肌目の状態を言う
銀浮き:銀面層は肉面層との結合が緩み、浮き加減になること。
その他の特性・チェック項目
*柔軟性 *膨らみ・充実感 *弾力性・腰 *ぬめり感
*色調・光沢 *傷の程度 *平滑性 *伸び
*均一性(色、シボ・しわなど) *厚さ *重さ
*その他(臭い、動物間の差異、など)
皮革の品質性能(特性)
・革は呼吸している=履き心地、着心地の良さ
・湿度・水分量により寸法・風合いが変化する
湿度が高いと伸び、低いと縮む
乾燥すると硬くごわごわになり、湿潤させると柔らかくなる
・適当な可塑性と弾性を合わせ持つ=履き心地、着心地の良さ
・温度による物性変化は少ない
・燃えにくい、熱を伝えにくい
・熱変性温度は含水量が多くなると低下する
湿熱に弱いので、スチームアイロン注意
・個体差・部位差がある
部位・方向性を考えて裁断
・染色堅牢性に注意
革製品は繊維製品と比べて、色落ち・移染・変退色・色焼けがしやすい
デザイン・取扱い上で注意すること
・組み合せ時は、同系統の色目とする
・長時間重ね置きしない
・濡れたまま放置しない
・保管時は紙や布で包む
・洗う時は、中性洗剤を用い、強く擦らない
・革を薄くする、軽くする時の注意
厚さを乳頭層(銀面層)だけにすると、弱くなる
網状層(肉面層)を伴うことが重要
今回は、ここまで
次回は、衣料用革の品質基準と皮革衣料の苦情についてです。
2011.11.18.のTES会の講演で使用された大阪府産業技術総合研究所
皮革試験所 奥村 章氏の資料より引用させていただきました。
外観の違いによる皮革の仕上げの種類
・エナメル仕上げ:上塗りに膜厚の透明性のポリウレタン樹脂を使用
・オイル仕上げ:革表面がオイル感のある仕上げ
・アンチーク仕上げ:しわ、色むらをつけた古風な雰囲気
・パール仕上げ:魚鱗、雲母、アルミ箔をいれ、光を多重反射して、
真珠様の光沢を出す仕上げ
・グレージング仕上げ:革表面を円筒状のメノウやガラスで擦って艶を出す
加工タイプで分類した皮革の種類
スムース革:
・銀付革(フルグレイン)
・ガラス張革(コレクティッド)
起毛革:
・ヌバック:銀面を軽く短く毛羽立たせた革
非常に短くビロード状を呈す。
・スエード:小判革の肉面をサンドペーパーで毛羽立たせた革
ヌバックより長くベルベット状を呈す。
・ベロア(床革)成牛革の肉面毛羽立たせた革。
長い毛羽状を呈す
・バックスキン:主に鹿革の銀面を毛羽立たせた革
その他:
・シュリンク革
・型押革
・PU床革
再生革:天然皮革ではない。
革屑と粘結剤でシート状にしたもの
革の外観、触感的な特性と見方
しぼ・しわ:内曲げした時にできる「しわ」の状態
きめ(木目):銀面の肌目の状態を言う
銀浮き:銀面層は肉面層との結合が緩み、浮き加減になること。
その他の特性・チェック項目
*柔軟性 *膨らみ・充実感 *弾力性・腰 *ぬめり感
*色調・光沢 *傷の程度 *平滑性 *伸び
*均一性(色、シボ・しわなど) *厚さ *重さ
*その他(臭い、動物間の差異、など)
皮革の品質性能(特性)
・革は呼吸している=履き心地、着心地の良さ
・湿度・水分量により寸法・風合いが変化する
湿度が高いと伸び、低いと縮む
乾燥すると硬くごわごわになり、湿潤させると柔らかくなる
・適当な可塑性と弾性を合わせ持つ=履き心地、着心地の良さ
・温度による物性変化は少ない
・燃えにくい、熱を伝えにくい
・熱変性温度は含水量が多くなると低下する
湿熱に弱いので、スチームアイロン注意
・個体差・部位差がある
部位・方向性を考えて裁断
・染色堅牢性に注意
革製品は繊維製品と比べて、色落ち・移染・変退色・色焼けがしやすい
デザイン・取扱い上で注意すること
・組み合せ時は、同系統の色目とする
・長時間重ね置きしない
・濡れたまま放置しない
・保管時は紙や布で包む
・洗う時は、中性洗剤を用い、強く擦らない
・革を薄くする、軽くする時の注意
厚さを乳頭層(銀面層)だけにすると、弱くなる
網状層(肉面層)を伴うことが重要
今回は、ここまで
次回は、衣料用革の品質基準と皮革衣料の苦情についてです。
2011.11.18.のTES会の講演で使用された大阪府産業技術総合研究所
皮革試験所 奥村 章氏の資料より引用させていただきました。
TES会セミナーでの「皮革の話」 No.1の続きです。
皮革のできるまで、皮から革になるまでの工程です。
原料皮 主に牛皮で、牛皮の7〜8割が輸入です。
↓ アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、東南アジアから輸入。
準備工程 石灰漬(皮線維を解す・脱毛)
分割(漉き割り) 厚さの調整
↓ 酵解(皮線維を解す)
浸酸(なめしの準備)
鞣し 鞣剤により、生皮を「革らしく」する。
1)生皮に戻らない(乾燥しても硬くならない)
↓ 2)微生物・化学薬品への抵抗性
3)耐熱性の付与(生皮の収縮温度 約60℃)
染色 鞣された革を染色(浸染)する
↓
加脂 加脂剤(柔軟剤)を添加
↓ 乾燥しても硬くならないようにする。
乾燥
↓
仕上げ 革組織の揉みほぐし(機械的処理)
塗装仕上げ(着色剤・仕上げ剤)
↓ 塗装後の革面処理(アイロン、型押し、艶出し)
計量 殆どが面積取引きで、単位は、デシ(DS)といいます。
1デシ(10cmx10cmの大きさ)あたりの単価
靴底用などで、重量単位の取引きもある。
なめし(鞣し)とは、皮から革へ革らしくすること
・無機鞣剤
クロム鞣し(代表的な 鞣し剤)
柔軟性、弾力性、耐熱性(90℃〜120℃)、染色性、
耐久性に優れ、殆どの製品革に使われる。
アルミニウムなめし
ジルコニウムなめし
・有機鞣剤
植物タンニンなめし、合成タンニンなめし
伸びと弾性が小さいが、膨らみが特徴。
可塑性に富み、耐熱性(70℃〜90℃)、耐水性に劣る。
鞄、バッグ、ベルト、靴底などに使用。
アルデヒドなめし
・コンビネーションなめし
クロムとタンニンの併用
革の染色 革を着色する。
染色条件 温度:約50℃〜60℃
PH :3〜6
染料:酸性染料が主、直接染料、含金染料、
水溶性硫化染料、リン酸化染料、塩基性染料
繊維製品に比べて、染色堅牢性は、低い。
革の加脂(柔軟剤処理)
乾燥しても硬くならないように、線維間に柔軟剤(加脂剤)を入れ、
線維同士が密着しないようにする。
加脂剤の原料:動植物油、高級アルコール、炭化水素系など
塗装仕上げ
仕上げ剤 蛋白質系:カゼイン
樹脂系:ラッカー系、ウレタン系、アクリル系
添加剤 艶出し剤、マット剤、感触改善剤、撥水剤など
染料・顔料
仕上げ
・ステーキング:革組織の揉みほぐし(機械的処理)
・塗装後の革表面処理:アイロン掛け、型押し、しぼ付け、艶出しなど
今回は、ここまでで、次回は革の仕上げの種類などについて、、、
2011.11.18.のTES会の講演で使用された大阪府産業技術総合研究所
皮革試験所 奥村 章氏の資料より引用させていただきました。
皮革のできるまで、皮から革になるまでの工程です。
原料皮 主に牛皮で、牛皮の7〜8割が輸入です。
↓ アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、東南アジアから輸入。
準備工程 石灰漬(皮線維を解す・脱毛)
分割(漉き割り) 厚さの調整
↓ 酵解(皮線維を解す)
浸酸(なめしの準備)
鞣し 鞣剤により、生皮を「革らしく」する。
1)生皮に戻らない(乾燥しても硬くならない)
↓ 2)微生物・化学薬品への抵抗性
3)耐熱性の付与(生皮の収縮温度 約60℃)
染色 鞣された革を染色(浸染)する
↓
加脂 加脂剤(柔軟剤)を添加
↓ 乾燥しても硬くならないようにする。
乾燥
↓
仕上げ 革組織の揉みほぐし(機械的処理)
塗装仕上げ(着色剤・仕上げ剤)
↓ 塗装後の革面処理(アイロン、型押し、艶出し)
計量 殆どが面積取引きで、単位は、デシ(DS)といいます。
1デシ(10cmx10cmの大きさ)あたりの単価
靴底用などで、重量単位の取引きもある。
なめし(鞣し)とは、皮から革へ革らしくすること
・無機鞣剤
クロム鞣し(代表的な 鞣し剤)
柔軟性、弾力性、耐熱性(90℃〜120℃)、染色性、
耐久性に優れ、殆どの製品革に使われる。
アルミニウムなめし
ジルコニウムなめし
・有機鞣剤
植物タンニンなめし、合成タンニンなめし
伸びと弾性が小さいが、膨らみが特徴。
可塑性に富み、耐熱性(70℃〜90℃)、耐水性に劣る。
鞄、バッグ、ベルト、靴底などに使用。
アルデヒドなめし
・コンビネーションなめし
クロムとタンニンの併用
革の染色 革を着色する。
染色条件 温度:約50℃〜60℃
PH :3〜6
染料:酸性染料が主、直接染料、含金染料、
水溶性硫化染料、リン酸化染料、塩基性染料
繊維製品に比べて、染色堅牢性は、低い。
革の加脂(柔軟剤処理)
乾燥しても硬くならないように、線維間に柔軟剤(加脂剤)を入れ、
線維同士が密着しないようにする。
加脂剤の原料:動植物油、高級アルコール、炭化水素系など
塗装仕上げ
仕上げ剤 蛋白質系:カゼイン
樹脂系:ラッカー系、ウレタン系、アクリル系
添加剤 艶出し剤、マット剤、感触改善剤、撥水剤など
染料・顔料
仕上げ
・ステーキング:革組織の揉みほぐし(機械的処理)
・塗装後の革表面処理:アイロン掛け、型押し、しぼ付け、艶出しなど
今回は、ここまでで、次回は革の仕上げの種類などについて、、、
2011.11.18.のTES会の講演で使用された大阪府産業技術総合研究所
皮革試験所 奥村 章氏の資料より引用させていただきました。
11月18日は、TES会(繊維製品品質管理士)のアパレル問題研究会でした。
今回は、皮革のお勉強です。
講師は、大阪府立産業技術総合研究所皮革試験所の 奥村 章 氏です。
皮革の基本知識から
皮革の基本特性 長所
1)革表面の美しさ 独特の表面(銀面・起毛革)
2)独特の感触 柔軟性、ゆめり感など
3)保温性・防寒性
4)吸湿性・放湿性・透湿性 快適性・履き心地
5)適度な可塑性と弾力性があり、立体的に成形しやすく、体に馴染む。
6)耐久性(耐屈曲性、耐摩耗性) 長持ちする。
7)難燃性
8)ほつれない
皮革の基本特性 短所
1)個体差、部位差、傷のどで、歩留まりが悪い。
2)水に濡れると、形状や風合いが変化する。
3)染色堅牢性が良くない。
4)カビが生えやすい。
5)特有の臭い(タンニン剤、加脂剤、仕上剤)
6)湿熱(スチームアイロンなど)やアルカリに弱い
7)取扱い、手入れ、保管、クリーニングに注意が必要
8)縫い直しが難しい(ミシン目が残る)
革の定義:革線維が3次元に交絡したシート状のもの
(天然繊維からなる不織布)
* 線維=繊維 せんいで同じですが、皮革業界では、線維と言う
皮革の線維構造は、2層構造で、乳頭層(銀面層)と網状層(肉面層)
乳頭層は細かい線維が交絡(しなやかな表面タッチ、強度は弱い)
網状層は太い線維束が交絡(膨らみ・充実感の風合い、強度を付与)
線維束は、コラーゲン分子からなるコラーゲン線維(太さ0.1μm)が
7000本集まってできています。
綿の太さ5〜10μm、羊毛の20μmと比較して、かなり細いものです。
銀面は、乳頭層(銀面層)の最外側をいい、細かいコラーゲン線維が
交絡し、細やかな感触、動物特有の模様・毛穴の大きさ・形状・
配列があります。
原料皮の動物種としては、牛がほとんどで、性別、年齢で、呼び名や、
組織構造、風合、強度が変化します。
・ステア 2年以上飼育した去勢したオス成牛皮
最も需要が多く、面積が大きく、厚みがある。
靴、カバン、家具など
・カウ メス乳成牛、ステアよりキメが細かく、薄い
衣料、手袋など
・キップ 生後6ヶ月〜2年程度の中牛、キメが細かく、強度もあります。
高級靴、バッグなど
・カーフ 生後6ヶ月くらいの子牛、キメ細かく、ソフト
婦人靴、衣料、手袋などの高級素材
羊 年齢によりシープ(成羊)とラム(子羊)に区分されます
・ウールシープ 革強度は弱く軽くて膨らみがあり、柔軟
ムートン、衣料、靴裏など
・ヘアーシープ 革は薄く、ある程度の強度。軽くてソフト、手触りが良い。
ゴルフ手袋、衣料など
豚(ピッグスキン) 国内で自給できる原料皮
3本1組の太い剛毛が貫通
銀面は松笠様の凸凹模様
摩擦に強く、軽量で、通気性があります。
靴裏、衣料、手袋スエード、カバン
馬 大判、薄く、柔らかい。平坦な銀面。
尻部は繊維が緻密で光沢がありコードバン(シェル)といい、
ランドセルの被せに使われてきました。
その他の部位は弱く、靴裏、衣料、ライニングなど

鹿 非常に柔軟で、軽い
セーム革、手袋、衣料、袋物など高級素材
カンガルー 丈夫で、しなやか
スポーツ用靴甲革など
山羊 年齢により、ゴート(成山羊)とキッド(子山羊)に区分
山羊皮は、羊皮より充実し、強く、耐磨耗性い優れています。
靴甲革、衣料、手袋など
爬虫類 クロコダイル、トカゲ、ヘビなど
・肚ワニ 背を割き、腹鱗板を生かす。
・背ワニ 腹を割き、背の凹凸(頸鱗板、背鱗板)を生かす。


魚類 エイ、サメなど
鳥類 オーストリッチ
特徴的なクイルマーク(羽毛の軸痕)
高級素材、バッグなど

文章は、講演で使用された奥村氏の資料より引用させていただきました。
画像は、奥村氏が用意された皮革の実物資料を撮影させていただきました。
今回はここまで、
次の「皮革のできるまでの工程」の話(皮革の話No.2)に続く...
また、次回をおたのしみに!
今回は、皮革のお勉強です。
講師は、大阪府立産業技術総合研究所皮革試験所の 奥村 章 氏です。
皮革の基本知識から
皮革の基本特性 長所
1)革表面の美しさ 独特の表面(銀面・起毛革)
2)独特の感触 柔軟性、ゆめり感など
3)保温性・防寒性
4)吸湿性・放湿性・透湿性 快適性・履き心地
5)適度な可塑性と弾力性があり、立体的に成形しやすく、体に馴染む。
6)耐久性(耐屈曲性、耐摩耗性) 長持ちする。
7)難燃性
8)ほつれない
皮革の基本特性 短所
1)個体差、部位差、傷のどで、歩留まりが悪い。
2)水に濡れると、形状や風合いが変化する。
3)染色堅牢性が良くない。
4)カビが生えやすい。
5)特有の臭い(タンニン剤、加脂剤、仕上剤)
6)湿熱(スチームアイロンなど)やアルカリに弱い
7)取扱い、手入れ、保管、クリーニングに注意が必要
8)縫い直しが難しい(ミシン目が残る)
革の定義:革線維が3次元に交絡したシート状のもの
(天然繊維からなる不織布)
* 線維=繊維 せんいで同じですが、皮革業界では、線維と言う
皮革の線維構造は、2層構造で、乳頭層(銀面層)と網状層(肉面層)
乳頭層は細かい線維が交絡(しなやかな表面タッチ、強度は弱い)
網状層は太い線維束が交絡(膨らみ・充実感の風合い、強度を付与)
線維束は、コラーゲン分子からなるコラーゲン線維(太さ0.1μm)が
7000本集まってできています。
綿の太さ5〜10μm、羊毛の20μmと比較して、かなり細いものです。
銀面は、乳頭層(銀面層)の最外側をいい、細かいコラーゲン線維が
交絡し、細やかな感触、動物特有の模様・毛穴の大きさ・形状・
配列があります。
原料皮の動物種としては、牛がほとんどで、性別、年齢で、呼び名や、
組織構造、風合、強度が変化します。
・ステア 2年以上飼育した去勢したオス成牛皮
最も需要が多く、面積が大きく、厚みがある。
靴、カバン、家具など
・カウ メス乳成牛、ステアよりキメが細かく、薄い
衣料、手袋など
・キップ 生後6ヶ月〜2年程度の中牛、キメが細かく、強度もあります。
高級靴、バッグなど
・カーフ 生後6ヶ月くらいの子牛、キメ細かく、ソフト
婦人靴、衣料、手袋などの高級素材
羊 年齢によりシープ(成羊)とラム(子羊)に区分されます
・ウールシープ 革強度は弱く軽くて膨らみがあり、柔軟
ムートン、衣料、靴裏など
・ヘアーシープ 革は薄く、ある程度の強度。軽くてソフト、手触りが良い。
ゴルフ手袋、衣料など
豚(ピッグスキン) 国内で自給できる原料皮
3本1組の太い剛毛が貫通
銀面は松笠様の凸凹模様
摩擦に強く、軽量で、通気性があります。
靴裏、衣料、手袋スエード、カバン
馬 大判、薄く、柔らかい。平坦な銀面。
尻部は繊維が緻密で光沢がありコードバン(シェル)といい、
ランドセルの被せに使われてきました。
その他の部位は弱く、靴裏、衣料、ライニングなど

鹿 非常に柔軟で、軽い
セーム革、手袋、衣料、袋物など高級素材
カンガルー 丈夫で、しなやか
スポーツ用靴甲革など
山羊 年齢により、ゴート(成山羊)とキッド(子山羊)に区分
山羊皮は、羊皮より充実し、強く、耐磨耗性い優れています。
靴甲革、衣料、手袋など
爬虫類 クロコダイル、トカゲ、ヘビなど
・肚ワニ 背を割き、腹鱗板を生かす。
・背ワニ 腹を割き、背の凹凸(頸鱗板、背鱗板)を生かす。


魚類 エイ、サメなど
鳥類 オーストリッチ
特徴的なクイルマーク(羽毛の軸痕)
高級素材、バッグなど

文章は、講演で使用された奥村氏の資料より引用させていただきました。
画像は、奥村氏が用意された皮革の実物資料を撮影させていただきました。
今回はここまで、
次の「皮革のできるまでの工程」の話(皮革の話No.2)に続く...
また、次回をおたのしみに!



